重要書類について
任意売却を巡って必要になる重要書類は数多くあります。それらが手元に届くタイミングなどによって、任意売却が可能か否か、また検討の猶予はどれくらいかなどが決まってきますので、あらかじめ必要な知識を学んでおきましょう。
住宅ローンを滞納していると、住宅金融支援機構(旧・住宅金融公庫)や銀行等の金融機関(債権者)から面談を求める通知が来ることがあります。これは、債権者がお客様の生活状況や収入状況を確認し、今後の返済が可能かどうかを相談する機会を設けてくれるものです。通知を無視せず、指定された書類を用意して話し合いを持つことをお勧めします。
住宅ローンや税金などの支払いが滞っている場合に送られてくる書類です。様式は様々ですが、「期日までにこの金額を支払ってください。支払わなければ法的手続きへ移行します。」というような内容が書かれています。このような書類が届いたら放置せず、どうやって支払うかを考えてください。支払いが不可能であれば、返済金額の減額や返済期間の延長、親戚や知人から借りるなどの手段を考えましょう。それが無理であれば、任意売却について一度お考え下さい。
期日までに債権者への支払いが行われなかった場合、その期日から20日以内に送られてくる書類です。この時点で、未納分を支払うか、任意売却をするかご決断ください。このまま放置してしまうと期限利益の喪失、競売へと段階が進み、任意売却が難しくなっていきます。
住宅ローンの返済を3~6ヶ月(債権者によって異なります)滞納すると「期限利益の喪失」となります。「ローンを毎月返済していれば、一括返済はしなくてもよい」という約束が「期限利益」であり、この約束を破ってしまうと契約違反となります。この書類が届いてしまうと、もう支払いは先延ばしできません。期日までに滞納していた金額と延滞金をすべて支払わなければ、残ったローンを一括で支払うよう求められることになります。
期限利益を喪失すると、銀行等の金融機関は保証会社に残ったローンを一括で支払うよう請求します。これが「代位弁済」です。この書類が届くと、以降は金融機関に代わって保証会社から支払いの催促が行われます。早めの対応が肝心です。すぐに任意売却についてご相談ください。
住宅金融支援機構(旧・住宅金融公庫)のローンを滞納した場合に届く書類です。今後は委託した債権回収会社により、債権の回収・競売の申し立て・残債の回収業務が行われると書かれているはずです。代位弁済通知と同様に、早急な対応が必要となります。任意売却についてご相談ください。
固定資産税は、1月1日現在に土地や建物を所有している人に課税される地方税で、市町村より請求されます。滞納した金額が多くなると、自宅や給与を差押えられてしまいます。収入の減少などで納税が難しい場合には、分割して納税する方法もあります。市役所や役場などの担当者と支払い方法について相談してください。
差押えとは、税金などを滞納している人から強制的に債務を回収する手段です。固定資産税の滞納を続けると、市役所や役場から差押書が送付され、滞納している人の特定の財産(主に不動産)の売却を禁止したり、支払われた給与から滞納分の税金を差し引くことができます。差押え中の不動産は債権者が一部を立替えて差押えを解除することにより、競売や任意売却が可能になります。
これは、保証会社や債権回収会社が裁判所へ競売の申し立てを行い、その申し立てが受理されたというお知らせです。お客様がこの書類を受け取ってから1ヶ月以内には、裁判所から執行官が不動産の調査に来て周辺や部屋の様子を写真に収めます。その後3~4ヶ月で、新聞やインターネットなどに競売物件として不動産の情報が掲載されます。なんとか任意売却は可能ですが、残された時間はわずかです。早急にご相談下さい。
不動産の入札日程が記載された書類です。この書類が届くと、競売まであと一歩となります。入札日が間近に迫ると、任意売却に応じてもらえない事が多くなります。入札が実施されると取り下げは不可能となり、落札後は立ち退きを迫られることになります。任意売却のラストチャンスです。迷わず今すぐご連絡ください。
必要書類
任意売却を行うには、ご用意いただく書類が複数あります。その代表的な書類を「ご依頼時」「当協会からお願いするもの」に分けてご紹介します。書類についてご不明な点がありましたら、お気軽に当協会までお問い合わせください。
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専門用語
任意売却を進めるにあたって、さまざまな専門用語が登場します。「もっと詳しく教えてほしい」という方は、お気軽に当協会までお問い合わせください。担当者が、丁寧にご説明します。
あ行
一括返済
借りているお金や住宅ローンをひとまとめにして返済することです。毎月の支払いが遅れてしまうと期限利益の喪失となり、滞納分およびローンの残額を一括で支払うよう求められます。
一般媒介
不動産の媒介契約のひとつで、売り主が複数の不動産業者に対して売却依頼を行うことです。任意売却の場合は「専任媒介契約」とすることがほとんどです。
オーバーローン(債務超過)
もともとは、銀行などの金融機関が預金を上回る金額を貸し出している状態を指す金融用語です。不動産取引では、住宅ローンの残高が物件の売却価格を上回っている状態を指します。この状態では売却しても借金が残ってしまうため、買い替えなどで新たな住宅ローンを組むことが難しくなりますが、任意売却は可能です。
親子間売買
不動産の売買を、親と子の間で行うことです。この場合は一般の売買と異なり、収入などに問題がなくても住宅ローンの利用が断られてしまうパターンがよくあります。というのも、通常であれば相続するであろう不動産を売買するからには、何らかの事情があると思われるからです。
か行
管理費(共益費)
マンションなどの集合住宅で、エントランス、廊下、エレベーターなどの共用部分を維持管理するために支払う費用のことです。
管財事件
破産者に資産がある状態で自己破産することです。資産がない状態で自己破産することは「同時破産」といいます。
管財人
自己破産で「管財事件」となった場合、破産者に代わって財産を管理し、債権者への清算手続きを行う人のことです。通常は裁判所が選任した弁護士が管財人となります。
期間入札
一定の「入札期間」を定め、その期間内に入札を受け付け、別に設定された開札期日に開札を行って落札者を決定する方法です。入札期間は、1週間以上1ヶ月以内の範囲で、各裁判所が定めます。
期限利益の喪失
「ローンを毎月返済していれば、一括返済はしなくてもよい」という約束のことを「期限利益」といい、滞納などによりその権利を失ってしまうことです。
共有名義
不動産などを購入する場合に出した資金に応じて持分割合を決め、土地や住宅を共同で所有することです。一旦共有名義とすると、その後の土地の利用や売買には共有者全員の同意が必要となります。
競売
民事執行法に基づき、債権回収のため債権者が裁判所に対して申し立てを行い、裁判所が不動産を売却する手続きを行うことです。強制競売と担保不動産競売をあわせて、一般的に競売と呼びます。
現況調査報告書
「三点セット」の一つで、裁判所の執行官が土地・建物の形状やその占有状況を調査して作成したもので、調査時点での不動産の状態について記載された書類のことです。
個人民事再生
多重債務となった場合に借金を整理する方法のひとつです。裁判所の手続きで債権者と借金の減額や月々の支払いを減額の交渉を行い、残った金額を3年から5年で返済する契約となります。任意整理では解決が難しい場合や、自己破産で仕事を続けられなくなる場合に適した債務の整理方法です。
固定資産税
1月1日現在に土地や建物を所有している人に課税される地方税のことです。納税は市町村に対して行います。
さ行
サービサー(債権回収会社)
「債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法) 」に従い、債権回収を専門に行う会社のことです。
催告書
住宅ローンや税金などの支払いが滞っている場合に送られてくる書類のことです。
債権者
ある特定の人(債務者)に対して、金銭の支払いやその他一定の給付を請求する権利を持つ人のことです。任意売却の場合は、住宅金融支援機構(旧・住宅金融公庫)や銀行等の金融機関、保証会社にあたります。
債務
特定の人に対し、ある一定の行為・給付をしなければならない法的な義務のことです。任意売却の場合は、 債権者に対して住宅ローンの返済を行うことをいいます。
債務者
特定の人に対し、金銭の支払いなどの一定の給付を行う義務を持つ人のことです。任意売却の場合は、 債権者からお金を借りている人のことです。
差押え
税金や支払いなどを滞納している人から、強制的に債務を回収する手段のことです。
残債
任意売却や競売によって不動産を処分した後に残るローンや借金のことです。この残債は支払い義務がありますが、任意売却と競売では支払い方法に差が出ます。
三点セット
競売となった物件について裁判所が調査・作成する「物件明細書」「現況調査報告書」「評価書」のことです。これらの書類は競売物件には欠かせないものであるため、まとめて三点セットと呼ばれています。
自己破産
借金整理の最終手段とも言われており、自分の財産を失う代わりに、すべての借金の返済が免除されることです。
住宅金融支援機構(旧・住宅金融公庫)
2007年4月に発足した、旧・住宅金融金庫の業務を継承する独立行政法人です。広く一般にむけて住宅の建築や購入資金の貸し出しを行なっていましたが、現在は特定の条件に該当する人にのみ貸し出しが行われています。
修繕積立金
マンションなどの集合住宅で、外壁の補修や配管、共有部分の修繕など建物を長期間にわたって維持していくために必要なお金のことです。この金額は修繕計画に基づいて算出され、毎月一定額を管理費とは別に積み立てます。
所有権
法令の制限内で、目的物を自由に使用・収益・処分できる権利のことです。不動産取引では、対象となる土地や建物を自由に使用・収益・処分できる権利のことで、この権利を持つ人は固定資産税や都市計画税を支払う義務があります。
親族間売買
不動産の売買を、兄弟姉妹や親戚といった身内の間で行うことです。親子間売買と同様、住宅ローンの利用が断られてしまうことが多いようです。このため一旦第三者名義にした後、本来購入する方へ所有権を移転するケースが一般的ですが、通常の売買よりも諸費用が多くかかってしまいます。
専任媒介
不動産の媒介契約のひとつで、売り主がひとつの不動産業者のみに売却依頼を行うことです。この場合、他の不動産業者に売却依頼を行うことは契約違反となります。
た行
代位弁済
期限利益の喪失により、銀行等の金融機関が保証会社に残ったローンを一括で支払うよう請求することです。
滞納
ローンや税金の支払を期日までに行わないことです。期日までに支払いが行われない場合は、延滞金が加算されたり期限利益の喪失となってしまうことがあります。
仲介手数料
不動産の取引において、その売買を仲介した人に対して支払う手数料のことです。仲介手数料の金額は宅建業法で決められています。
抵当権
住宅ローンなどのお金を貸す際に、債権者が返済を行わなかった際の保証として不動産に設定する権利のことです。この権利に基づき、返済が滞った場合に債権者は任意売却や競売によって物件を売却し、その金額で債務を整理します。
登記費用
不動産の売買や相続、抵当権の設定や抹消を行う場合は、法務局への届出が必要となります。この届出を行う際にかかる税金や謄本などの諸費用をまとめて、登記費用といいます。
同時破産
破産者にめぼしい資産がない状態で自己破産することです。不動産などの資産が残った状態で自己破産することは「管財事件」といいます。
督促状
期日までに債権者への支払いが行われなかった場合に送られてくる書類のことです。
都市計画税
1月1日現在に、都市計画区域内にある土地や建物を所有している人に課税される地方税のことです。納税は市町村に対して固定資産税と一緒に行います。
な行
任意整理
返済を続けていく事を前提として、裁判所を介さずに債権者と借金の減額や月々の支払いの減額交渉を行い、新たな契約を結ぶことです。この場合、原則として36回以内で完済とし、元金の減額はできない契約となります。
任意売却
債務者と債権者の合意のもと、不動産を競売にかけずに債務者・債権者とも納得のいく価格で売却することです。
は行
評価書
「三点セット」の一つで、裁判所が選任した評価人(不動産鑑定士であることが多い)による物件の評価額などが記載された書類のことです。
物件明細書
「三点セット」の一つで、不動産を購入した場合に引継がなければならない権利などについて記載された書類のことです。
返済配当計画書
任意売却で、物件の売買契約を行う際に作成される書類です。売買金額とそこから差し引かれる諸費用が明記され、残った金額が債権者や抵当権者への返済に充てられます。
保証会社
一般に、お金を借りるときには保証人や連帯保証人が必要となりますが、住宅ローンの場合には借りる金額も大きくなるため、そのような保証を行なってくれる人はなかなかいません。このため、利用者から保証料を受け取る代わりにその役割を専門に行う会社があり、これを保証会社といいます。
保証人
債務者本人に支払い能力がない場合に限り、返済義務を負う人のことです。
ま・や行
無担保債権
通常、自宅などの不動産を担保としてお金を借りますが、担保がない状態で借りたお金のことを無担保債権といいます。任意売却や競売後は担保となる不動産がないため、残債は無担保の債権になります。
ら・わ行
連帯債務者
ローンを借りた債務者と一緒にローンの返済をしていく人のことです。
連帯保証人
債務者がローンを支払うことができなくなった場合に、債務者に代わって支払いの義務を請け負う人のことです。
リスケジュール
ローンの支払が苦しくなった場合に、債務者からの要請を受けて既存の返済計画を見直し、月々の返済額を減らしたり、支払い期間を延長したりすることです。
レインズ(REINSE)
国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営する不動産流通標準情報システムのことです。日本全国の不動産取引情報を検索・閲覧することができます。